私は、この4月に企画・評価・総務担当理事を拝命し、ダイバーシティ推進本部担当になりました。
岡山大学では平成21年10月に「岡山大学ダイバーシティポリシー」を制定し、男女共同参画や障がい者雇用をはじめとする諸施策により、岡山大学における文化の醸成に努めてきました。さらに、従来の多様性の確保にとどまらず、一人ひとりが活躍できる大学を目指して、いっそうのダイバーシティ&インクルージョンの取組みを進めるべく、全学アンケートを含む多様なステークホルダーによるご意見を踏まえ、令和3年5月に「岡山大学ダイバーシティ&インクルージョンポリシー」として改正いたしました。その間、「岡山大学におけるダイバーシティ&インクルージョンの現状と課題及び第4期目標期間に向けた提言」や具体的な推進施策を示すなど、歩みを進めて参りました。
ダイバーシティとは「多様性」という意味であり、日本でこの考え方が広く認識され始めたのは1990年代ごろからです。多種多様な属性を持っている人たちを積極的に活用し、ダイバーシティを推進することは、あるべき当然な姿ですが、これは必ずしも容易なことではありません。多様な人材を同じ指標で評価しようとすると、トラブルや摩擦の原因となることもあります。しかし、真のダイバーシティ&インクルージョンは一人ひとりの状況に合わせた環境により、誰もが成功する機会を用意することです。多様な人々との協働は、基本的人権を尊重する基盤であるだけでなく、それぞれの人が持つ、多様な能力を最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、これまでになかった価値創造につなげていくことが可能となります。
VUCA時代においては、これまでの価値観だけでなく、多様性が生み出す総合知が大学経営にも生かされるものと考えています。また、ダイバーシティ組織に必須の要素は心理的安全性とも言われています。多様な人々がそこに属するだけでなく、気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる、個人として尊重されながら、その違いを生かし、認め合うことが必要です。そのためには、それぞれの力が発揮できるように組織が環境整備や働きかけを行っていくことが重要であると考えています。現実には課題も多いですが、多様な教職員が活躍できるダイバーシティ環境を守り育てるために、皆様と一緒に取り組みたいと思いますので、ご協力ご支援をお願い致します。
令和5年4月30日
ダイバーシティ推進本部長 三村 由香里
(理事(企画・評価・総務担当))