岡山大学 ダイバーシティ推進本部

ウーマン・テニュア・トラック(WTT)制Woman Tenure Track System

第2期(平成23年度)

平成23年4月1日に採用された第2期WTT教員3名を紹介します。
3年間の任期を終え、平成26年4月1日付でテニュア教員として採用されました。

飯尾 友愛

所属/職名

大学院保健学研究科/ 助教(平成26年4月1日 テニュア教員へ)

最終学歴

岡山大学大学院保健学研究科

前職

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 産科婦人科教室 臨床検査技師

研究内容

アロマセラピー(芳香療法)による作用・効果をマウス気管支喘息モデルで研究しています。様々な精油の作用を科学的に実証し、アロマセラピーによるヘルスプロモーションを提案していきます。

WTT3年間を振り返って

WTT教員の期間を終え4月より常勤の教員として採用となりました。 この3年間はとても早く、でも長い時間でした。講義については学生に戻った気分で教科書を学び直し、研究では成果を様々な場所で発表させていただく機会があり、プライベートでは出産と多くの経験を積むことができた濃い3年だったと感じています。研究、講義、実習、家庭と考えること、同時にやらなければならないことも多く、頭が重くなることもありました。しかしそのような時には、メンターの先生をはじめとする先生方、男女共同参画室の皆様、家族、周囲の先輩お母さん達からのアドバイス、サポート、話をきいてもらえることが本当に大きな支えとなりました。このような出会いに恵まれたことは、私にとってWTT期間で一番の財産になったと思っています。今後は研究、教育にさらに励み、家庭との両立も目指していきたいと思います。

(2020.12.31転出)

前田 恵

所属/職名

環境生命自然科学学域(農) / 准教授(平成26年4月1日 テニュア教員へ)

最終学歴

岡山大学大学院自然科学研究科

前職

川崎医科大学 衛生学 助教

研究内容

植物タンパク質に結合している糖鎖抗原性糖鎖は、スギ花粉症においてTh2型の免疫応答を抑制する活性を示すため、抗アレルギー薬のリード化合物となる可能性が考えられています。植物抗原性糖鎖を多数結合させた人工糖鎖ポリマーを作成し、そのメカニズム解明を進めています。

WTT3年間を振り返って

岡山大学へ着任する直前の2011年3月に震災があり(この時私は成田上空におりました)、着任後しばらくは何だか落ち着かない毎日だったように覚えています。その後、岡山大学がテニュアトラック定着普及事業へ採択され、実験できる環境を3年間で整えることが出来ました。またこの間に、ベルギーゲント大学への留学も経験しました。お世話になったVan Damme教授がオーガナイズする学会には学生と共に参加してくる予定です。2011年のゼミ旅行では大山登山を経験しました。その当時の学生さん達はすっかり卒業し、今年は新しいメンバーと大山登山に向かいました。日頃の運動不足がたたり、今回は植物の写真を撮る余裕も無いままに山頂を目指しました。ずっと霧だった中、途中で幸運にも晴れ間がのぞきました。私のWTT期間も同じです。最初の一歩からは想像できない未来が待っておりました。この先にはどんな未来が待っているのか…3年くらいして振り返ってみたいと思います。

宮崎 祐子

所属/職名

環境生命自然科学学域(農) / 准教授(平成26年4月1日 テニュア教員へ)

最終学歴

北海道大学大学院農学研究科 環境資源学専攻

前職

北海道大学大学院地球環境科学研究院 博士研究員

研究内容

多くの植物は、開花・結実量が年によって変動する性質を持っています。しかし、その詳しいメカニズムについては多くのことが分かっていません。花が大量に咲くためには何が必要なのか?咲いた花が種子になるまでの間に何が起こっているのか?その問いに答えるため、遺伝子の発現パタンや個体の栄養状態、気温などを解析し、植物の繁殖メカニズムに迫る研究に取り組んでいます。

WTT3年間を振り返って

3年間のWTT期間を終え、4月よりテニュア教員として大学院環境生命科学研究科に新たに着任しました。とは言っても、WTT教員として在籍していた研究室と同じで、気持ちを引き締めて新たに再出発となりました。振り返ってみればこのシームレスな繋がりが非常に有り難く、身一つで岡山にやってきた状態を既存の研究室で受け入れて頂きつつ自分の研究に取り組める環境を与えて頂いたお陰で、WTT着任当初からは考えられないほど研究環境が整い、新たな研究テーマへの関わりも持つことができました。様々な制度や研究費のお陰もありますが、所属研究室の先生方とスタッフの手厚いサポート、熱心な学生との出会い、研究科・男女共同参画室の先生方の暖かい励まし、WTTメンバーとの切磋琢磨のお陰であると人の繋がりに本当に感謝しています。これからも多くの人と関わりながら研究をこれまで以上に発展させ、また岡山大学のために少しでも貢献できるよう、精進して参ります。