ダイバーシティ推進本部男女共同参画室では、将来を担う中学生に研究者や大学院生と接し、学問や最先端の研究の内容を体験することによって、科学に対する興味を持ってもらうことを目的として、「おかやまサイエンス・トーク&トライアル」を毎年開催しています。今年度は、新型コロナ感染症拡大防止のため、オンラインで開催しました。
8月1日~8月25日の期間、サイエンス・トーク(最先端の科学についての講演)及びサイエンス・トライアル(最先端の科学についての実験)の動画配信を行いました。また、8月8日には若手女性研究者5名によるライブ形式のトークイベント「サイエンス・ライブ(教えて!博士!-大学の先生に聞いてみよう!-)」を開催しました。参加者からは研究や進路についての質問だけでなく、趣味や気分転換などに関する質問もあり、2時間の放送も瞬く間に終了となりました。
アンケートでは「先生たちがリアルタイムで質問にわかりやすくどんどん答えてくださって、楽しかった」等の感想が寄せられ、充実したイベントとなりました。
(ポスターの画像をクリックするとPDFで開きます。)
男女共同参画室 持続型人材育成部門長の声
毎年恒例のサイエンス・トーク&トライアルを今年度はオンラインで開催すると決まったとき、頭に浮かんだのがSNSのライブ配信でした。トーク(模擬授業)とトライアル(実験教室)に加えて、実は毎回参加者と交流するフリートークコーナーを設けていたのですが、これを拡張してオンラインの強みを活かす形で、サイエンス・ライブを実施してみることにしました。講師が座談会をしながら、参加者から寄せられた質問に答えるという形式です。講師には、井上麻夕里先生(理学部)、小布施祈織先生(環境理工学部)、門田有希先生(農学部)、増田潤子先生(工学部)にお願いし、私御輿(理学部)が司会を務めました。
開催前に心配していたのは、参加人数が集まるだろうかということと、質問が出るだろうかということです。結果的には、どちらも杞憂に終わりました。一般参加者は30名を超え、質問も途切れることなく寄せられました。例年の対面式フリートークでは、主に中学生である参加者から「何を聞いていいかわからない」という雰囲気が感じられ、あまり盛り上がらないのですが、オンラインのウェビナー形式ではチャットを用いて他の参加者に見られずに質問できるようにしたことが功を奏したのだと思われます。大学の研究とはどんなものかという質問や、進路選択についての質問が多かったです。事前にいくつか話題を用意しておき、投票機能を使って得票数の多いものについて話すことも試しました。進行中の話題に対して参加者から質問が寄せられ、さらに話が広がることもあり、この点はライブ配信ならではだと感じました。参加者の年代は様々なメディアでのライブ配信になじみがあり、テレビで視聴者コメントが流れ出演者が反応する形式にも慣れているため、今回のような交流会にもあまり構えずに参加できたのかもしれません。
オンライン開催のもう一つの利点は、参加者の所在地を問わない点です。今回、例年以上の参加申込があったのはそのためもあると考えられ、来年度以降もさらに広報を工夫することで多数の参加者が見込まれます。新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにオンライン開催とせざるを得なかったサイエンス・トーク&トライアルでしたが、広報の点ではオンライン開催は対面式よりも効果的であり、今後もこの形式を定着させるべきだと感じました。
最後に、サイエンス・ライブのテクニカルスタッフとして活躍してくださった、事務方の皆さんに感謝申し上げます。オンライン開催となったことで、撮影準備、機材の調達、会場設営、ウェビナー補助など、例年以上にご負担をおかけしました。世にあふれる動画配信の画面に映らないスタッフの重要性を身をもって理解しました。サイエンス・ライブはスタッフの皆さんなしには成り立ちませんでした。ありがとうございました。
御輿 真穂
イベント概要(対象者 : 中学生・保護者・学校や塾の先生等)
プログラム
(1)サイエンス・トーク:最先端の科学についての講演動画の配信
【テーマ】身の回りの液体の性質について-pH(酸性・アルカリ性)-
身の回りにある液体には様々な性質がありますが、今回「酸性」「中性」「アルカリ性」についてお話します。普段何気なく使う“水の大切さ”について聞いてみましょう。
(2)サイエンス・トライアル:最先端の科学についての実験動画の配信
【テーマ】自宅で酸性・アルカリ性を調べてみよう!
スーパーで売っている“あの野菜”を使って、簡単に「酸性」「アルカリ性」を調べることができます!ぜひご自宅で実験してみましょう!
配信方法 | 登録者に事前収録した配信動画を掲載した限定Webサイトを公開します |
動画公開期間 | 2020年8月1日(土)~2020年8月25日(火) |
動画時間 | 10分程度 |
(3)サイエンス・ライブ:女性科学者による座談会のライブ配信
【テーマ】教えて!博士!-大学の先生に聞いてみよう!-
本学の若手女性科学者5名がライブ形式のトークイベントを開催。事前登録者限定でZOOMを使用して配信します。「文系・理系の選択ってどうすればいいの?」「大学の先生って中学生時代どんな生活をしていたの?」など、事前に専用メールフォームより送付いただいた質問や、当日の質問にも現役の女性科学者(大学の先生)がお答えします。なかなか聞くことのできないことを質問してみましょう!
サイエンス・トーク&トライアル講師の井上先生も参加しますので、動画を見てわからないことがあればぜひ質問してください。
配信方法 | 登録者限定でZOOM※を使用してライブ配信を行います。 ※ZOOM……パソコンやスマートフォンを使って、セミナーやミーティング等オンラインで開催するために開発されたアプリです。 |
放送日時 | 2020年8月8日(土)14:00~16:00 |
備考 | 途中参加、途中退席等可能です。 |
講師のご紹介
紹介リンク | 研究内容等 |
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井上 麻夕里(いのうえ まゆり) <紹介ページ> | 岡山大学大学院自然科学研究科(理学部) 准教授東京大学大気海洋研究所の助教を経て、岡山大学理学部に着任。現在は准教授として活躍中! 主に海洋のサンゴと地球化学的手法を用いて、環境変動について研究しています。 |
御輿 真穂(おごし まほ) <紹介ページ>) | 岡山大学大学院自然科学研究科(理学部) 助教東京工業大学大学院生命理工学研究科にて日本学術振興会特別研究員を経て、岡山大学理学部附属牛窓臨海実験所に着任。現在は理学部の助教として活躍するとともに、男女共同参画室の持続型人材育成部門の部門長として、サイエンス・トーク&トライアルの事業等を担当しています。 主に脊椎動物のホルモンと生理学について、魚を材料に研究しています。 |
増田 潤子(ますだ じゅんこ) <紹介ページ> | 岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科(工学部) 助教アメリカ国立衛生研究所の研究員を経て、岡山大学工学部に着任。 主にがん形成によって腸管免疫細胞が受ける影響と変化について解明しています。 |
門田 有希(もんでん ゆき) <紹介ページ> | 岡山大学大学院環境生命科学研究科(農学部) 准教授京都大学大学院農学研究科にて日本学術振興会特別研究員を経て、岡山大学農学部に着任。 主に農作物の育種・遺伝学的な研究を行っています。 |
小布施 祈織(おぶせ きおり) <紹介ページ> | 岡山大学大学院環境生命科学研究科(環境理工学部) 准教授東北大学原子分子材料科学高等研究機構の助教を経て、岡山大学環境理工学部に着任。 主に惑星大気、海洋などの様々な分野における流体に関係する諸問題を、数理的な立場から理解することを目標に研究を行っています。 |